【案内標識】 2004年12月10日
高速道路の案内標識のフォント
このような質問が寄せられました。
高速道路などの標識のあの独特なカクカクしたフォントって何ていうフォント(字体)なのでしょうか?
少し調べてみたのですが、明快な答えが見つかりませんでした。調査の途中結果として、分かったことをまとめます。
・高速道路のフォントは誤認を防ぐために考えられた。
・フォントは全国統一されておらず、公団によって(地域によって)異なるようだ。
・特に首都高では、他の高速道路と違うフォントを使っているらしい。(このフォントのほうが新しく、見やすいらしく、少しずつ他の高速道路でも使われるようになっているようだ???)
もう少し調査します。
-----------------追記----------------------
首都高速道路公団に尋ねたところ、首都高速や阪神高速では、写植書体の「ゴナDB体」が使われていると教えて頂きました。標識に関する研究会を開いた結果、平成元年頃から「ゴナDB体」の採用を始めたようです。(首都高速道路公団さま、ありがとうございました)
「ゴナDB」は「ゴナ」というフォント(書体)の一種で、写植用に作られたフォントです。フォントに詳しい人や、デザイナーなら知っているかもしれません。「ゴナ」の一種である「ゴナU」は1975年に発売され、その後いろいろなウェイト(線の太さ)の「ゴナ」が世に出回ることになりました。
画線を直線的に描いた姿は、当時としては斬新で、その後に生まれたゴシック系のフォントは、この「ゴナ」のイメージを引き継いでるものが多くあります。例えば、印刷の世界で、現在最も良く使われているフォントの「新ゴ」というゴシック体などがそうです。
このような、歴史的に重要で、かつ美しいフォントの「ゴナ」でしたが、書体のデジタル化によって、最近ではだんだん見かけなくなるようになったそうです。
ところで写植とは何だかご存じですか?
文字を印刷するための最も古い方法が「活字」と呼ばれる方法です。小さな金属のハンコを組み合わせるという非常に原始的なもので、歴史的も非常に古くルネサンスの3大発明の1つでもあります。現在では活字の印刷はほとんどありませんが、「紙に印刷された文字や文章」という広い意味になって「活字」という言葉が残っています。
その次に考えられた方法が「写植」です。写植という文字を見ればなんとなく想像できるかもしれませんが、写真と似たような原理だと思ってください。小さな金属のハンコでやっていたものを、フィルムで行うのです。これが写植であり、活字に比べると作業効率が格段に良くなったため、活字に取って代わるようになりました。「ゴナ」はこの「写植」のフォントです。
そしてDTPの登場です。フォントや文字情報などは全てコンピュータの中でデジタル処理されます。我々が普段利用している、Wordで書類を作ったり、筆まめで年賀状を作ったりするのも広義のDTPと言えるでしょう。(印刷の現場では QuarkXpress などが使われています)
投稿者 bathrobe : 19:21 | コメント (2) | トラックバック
【案内標識】 2004年07月24日
方面および方向・方面および方向の予告
「方面および方向」を表す案内標識です。案内標識は大抵、特に予備知識がなくても意味が分かるものですが、これもその一種です。目的地に行くために、まっすぐ行けばいいのか、右に曲がれば良いのか、左に曲がれば良いのかが分かる標識です。
ただし、上記のような標識は道路が立体交差していることを示しています。右に曲がって大森に行くためには、側道を降りて行く必要があります。このように、単なる方向だけでなく、交差する道路が「交差点」で交わるのか、あるいは「立体交差」になっているかまで分かるようになっています。
このような標識は、交差点や立体交差の直前でいきなり現れても対応することができません。そこで「方面および方向の予告」という標識があります。
先ほどの標識と違う点は「300m」という表示です。およそ300メートル先に、このような交差点・立体交差がありますよ、という表示です。実際に、交差点・立体交差からきっちりと300メートル前に表示されるのではないのですが、交差点・立体交差に差し掛かるまでの時間にしておよそ10秒程度がドライバーに与えられ、そのなかで車線変更したり、減速したりするわけです。
投稿者 bathrobe : 09:28 | トラックバック
【案内標識】 2004年07月03日
入口の予告
「入口の予告」の案内標識です。
これは見たとおりです。勉強しなくても分かりますね。
投稿者 bathrobe : 11:59 | トラックバック
【案内標識】 2004年07月02日
待避所・非常駐車帯
待避所の案内標識です。
この標識とよく似た標識で「非常駐車帯」という案内標識があるのですが、意味合いが全然違うので注意してください。
待避所というものは、たとえば車一台しか走れないような細い山道で、車がすれ違えるように作ったスペースのことをいいます。ですので、街中ばかり走っているドライバーのかたは、あまり見かけない標識なのではないでしょうか。街中ばかり走っているけど、見たことがあるよーという方は、おそらく「非常駐車帯」と間違えています。
ちなみに、非常駐車帯はこんな標識。
ついでだから、非常駐車帯についても解説しましょう。
待避所の標識は青色、非常駐車帯の標識は緑色、ということから分かるように、非常駐車帯は高速道路に設置されています。故障や事故の際、路肩が広くとってある高速道路であれば、路肩に駐車すれば良いのですが、路肩が無いような高速道路の場合は、ある程度の間隔を置いて非常駐車帯があります。故障や事故のときは、通行の邪魔にならないようになんとか非常駐車帯を目指すわけですね。
どうでもいいことですが、この形は車が落ちているように見えますね。道路標識の新解釈でネタがまた一つ作れそうです。
投稿者 bathrobe : 01:24 | トラックバック
【案内標識】 2004年06月30日
非常電話
非常電話の案内標識です。
高速道路を走っていると、路肩にこの標識をみかけますね。読めば分かるとおり、非常電話が設置されていることを示す標識です。
非常電話は一般の電話には繋がらず、受話器を取っただけでJH(日本道路公団)の管制室に直通します。そして非常電話をかけた場所がJHに通知され、事故等に迅速に対応できるということらしいです。高速道路を走っているとき「非常電話を使うと、無料で電話できてしまうのでは?」と妄想してしまう方もいらっしゃると思います。確かに無料ですが、相手はJHのおじさんなので覚悟してかけてください。
非常電話の設置間隔は通常で1kmですが、トンネル内では200メートルだそうです。トンネルという閉塞された空間での事故は、危険が多いからなのでしょう。
投稿者 bathrobe : 23:55 | トラックバック
【案内標識】 2004年06月29日
入口の方向
入口の方向を示す案内標識です。
免許の更新のときに貰った「交通の教則」という本がありまして、一般の人は捨ててしまうのかもしれませんが、私のような標識マニア(?)は大事に・・・というより粗暴に保管しています。
標識の項目をふと見返してみると、「案内標識」というジャンルがありまして、これは上の標識のような、決まった形がなく、その時々で変化する標識のようです。東名高速の入口では、このような案内標識が出ているでしょうし、関越自動車道の入口では「関越自動車道」と書かれた案内標識があるでしょう。すなわち、カスタマイズ前提の標識なのです。
カスタマイズが前提の標識なんて、いわば看板みたいなもので、標識と認めたくないのが心情なのですが、「案内標識」というジャンルがきっちり決められているのなら仕方がないです。仕方なく、案内標識のカテゴリーを作りました。
一応言っておくと、緑色は高速道路あるいは自動車専用道路(まぁ、一般にはどちらも高速道路と呼ぶやつです)に対して使われます。一般道は青です。緑と青できっちり情報を視覚的にカテゴライズしているのは、気持ちいいですね。こういった、「情報の構造を考える」ということは、なかなか気が付かないことなので、今度別のブログを立ち上げてじっくりお話したいです。