include()文は指定されたファイルを読み込み、評価します。
以下の記述内容はrequire()にも当てはまります。これら2つの 構文はエラーの扱い方を除けば、その振る舞いは全く同じです。エラーが発生すると include()はWarning を出力しますがrequire()を使用している場合は Fatal Errorとなります。 言い換えると、指定されたファイルが無い場合に処理を停止したい場合は require()を使用した方が良い、ということになります。 include()を使用すると、読み込むべきファイルが存在しない 場合も処理が続行されます。include_path を適切に設定することも忘れないでください。 PHP 4.3.5 より前のバージョンでは include されたファイルにパースエラーが あっても処理が続行されましたが、それ以降のバージョンでは処理を停止します。
読み込むファイルはまずカレントのワーキングディレクトリからの相対パスとしてinclude_path で探され、それから、カレントのスクリプトのディレクトリからの相対パスとしてinclude_path で探されます。 例えば、include_pathが .で、カレントの ワーキングディレクトリが /www/ の 場合、include/a.php を読み込んで、そのファイルの中に include "b.php" と書いてあったとすると、 b.php がまず /www/で探され、その後、 /www/include/で探されます。 ファイル名が ./ あるいは ../ で始まっている場合は、 カレントのワーキングディレクトリからの相対パスとしてinclude_path で探されるのみとなります。
ファイルが読み込まれるとそのファイルに含まれるコードは、 include()もしくはrequire()が実行された 行の変数スコープを継承します。 呼び出し側の行で利用可能である全ての変数は、読み込まれたファイル内で利用可能です。 しかし、読み込まれたファイル内で定義されている関数やクラスはすべて グローバルスコープとなります。
例 16-5. 基本的なinclude()の例
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呼び出し側のファイルの関数定義の中で読み込みが行われ場合は、読み込まれる ファイルに含まれる全てのコードは、その関数内で定義されているものとして 動作します。従って変数スコープのその関数のものが継承されます。
ファイルが読み込まれるときには、読み込まれるファイルの先頭で PHPモードを抜けてHTMLモードになり、最後に再びPHPモードに戻ります。 このため、読み込むファイル中のPHPコードとして実行する必要がある コードは、 有効なPHPの開始タグおよび終了タグで括る必要があります。
"URL fopenラッパー"が 有効になっている場合(デフォルト設定では有効です)、ローカルなパス名 の代わりにURL(HTTP経由)を用いて読み込むファイルを指定することが可能です。 URLで指定されたサーバがファイルをPHPコードとして解釈することが 出来る場合には、HTTP GETを使用してURLリクエストに引数を指定することが 出来ます。これはファイルの読み込み云々やスコープの継承とは関係なく、 ただ単純にスクリプトがリモートのサーバで実行されて結果がローカルの スクリプトに読み込まれる、というだけのことです。
警告 |
PHP 4.3.0 より前のバージョンの Windows 版 PHP は、現在この関数に関してリモートファイルアクセス機能を サポートしていません。これは、allow_url_fopen を 有効にした場合でも同様です。 |
例 16-7. HTTP経由のinclude()
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セキュリティの警告 |
リモートファイルはリモートサーバ上で実行されます(ファイルの拡張子や リモートサーバが PHP の実行を許可しているかどうかに依存します)が、 有効な PHP スクリプトである必要があります。なぜならそれはローカル サーバ上で処理されるからです。もしリモートサーバ上で処理された結果が ほしいだけならば、readfile() を使用するほうがよい でしょう。そうでなければ、リモートスクリプトが有効な期待通りのコードを 生成していることを確認するため、注意を払うことが必要になります。 |
リモートファイル, fopen(), file()も参照してください。
include()とrequire()は特殊な 言語構造であるため、条件構造内にある場合は命令ブロックとして 括っておく必要があります。
値の返し方: 読み込まれたファイル内では、ファイルの実行処理を終了し呼出側の スクリプトに戻るためにreturn()文を実行することが可能です。 読み込まれたファイルから値を返すことも可能です。 通常の関数で行うのと同様にincludeコールの値を取得することができます。 しかし、読み込まれたリモートファイル(ローカルファイルの場合も同様)の出力が、 有効なPHPの開始/ 終了タグを有していない限り、リモートファイルを読み込む際に値を 取得することはできません。 必要な変数をこれらのタグの中で宣言することができ、これらの変数は ファイルが読み込まれた位置で使用可能となります。
include() は特別な言語構造であるため、 引数の前後に括弧は不要です。 返り値を比較する際には注意してください。
注意: PHP 3では関数ブロック以外のブロック内でreturnを 使用することはできません。 return()が適用されるのは関数であり、ファイル全体ではありません。
読み込みが成功すると$barの値は1となります。上の2つの例の違いに 注目してください。最初の例では読み込まれるファイル側でreturn() を使用し、もう一方では使用していません。 ファイルが読み込めなかった場合、FALSE が返され、 E_WARNING が発生します。
読み込まれるファイルで定義された関数がある場合、 これらは、return()の前後によらず メインファイルで使用できます。 このファイルが二度読み込まれた場合、PHP 5は関数が定義済みであるため 致命的なエラーを発生します。一方、PHP 4は return()の後に定義された関数については、 エラーを発生しません。 ファイルが読み込み済みであるかどうかを調べ、 読み込まれるファイルの内容を条件分岐で返すかわりに include_once()を使用することを推奨します。
PHP ファイルの内容を変数に "include する" もうひとつの方法は、 出力制御関数 を include() とともに用いて 出力をキャプチャすることです。たとえば、
スクリプト中で自動的にファイルをインクルードするには、php.ini の auto_prepend_file および auto_append_file オプションも参照ください。
注意: これは、関数ではなく 言語構造のため、可変関数 を用いて コールすることはできません。
require(), require_once(), include_once(), get_included_files(), readfile(), virtual() および include_path も参照ください。