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スクリプト内で print() を使用したときのように、 あなたのモジュールから出力ストリームにメッセージを表示しなければならない場面は よくあることでしょう。PHP では、警告メッセージの出力や phpinfo() 用の出力の生成などの一般的なタスクのための関数を 用意しています。以下の節で、その詳細を説明します。 これらの関数の使用例については CD-ROM を参照ください。

zend_printf()

zend_printf() は、標準の printf() と同じような動作をしますが、 出力先が Zend の出力ストリームとなります。

zend_error()

zend_error() は、エラーメッセージを生成するために使用します。 この関数は 2 つの引数を受け取ります。最初の引数はエラーの型 (zend_errors.h を参照ください)、 そして 2 番目の引数がエラーメッセージとなります。
zend_error(E_WARNING, "This function has been called with empty arguments");
指定できる値を 表46-16 にまとめます (図46-3 を参照ください)。 これらの値は、php.ini でも参照されます。 選んだ型によっては、エラーメッセージがログに記録されます。

表 46-16. Zend の定義済みエラーメッセージ

エラー説明
E_ERROR エラーを発生させ、その場でスクリプトの実行を停止します。
E_WARNING 一般的な警告を発生させ、そのまま続行します。
E_PARSE パーサのエラーを発生させ、そのまま続行します。
E_NOTICE 通知を発生させ、そのまま続行します。 php.ini のデフォルト設定では、 この型のエラーメッセージは表示されないようになっていることに注意しましょう。
E_CORE_ERROR コアによる内部エラーです。ユーザが作成したモジュールでは 使用してはいけません。
E_COMPILE_ERROR コンパイラによる内部エラーです。ユーザが作成したモジュールでは 使用してはいけません。
E_COMPILE_WARNING コンパイラによる内部警告です。ユーザが作成したモジュールでは 使用してはいけません。

図 46-3. ブラウザへの警告メッセージの表示

phpinfo() の出力内容

実際にモジュールを作成してみると、そのモジュールについての情報を phpinfo() に表示してみたくなるでしょう (モジュール名だけは、モジュール一覧のところにデフォルトで表示されます)。 PHP allows you to create your own section in the phpinfo() output with the ZEND_MINFO() function. この関数はモジュール記述子ブロック (先ほど説明しました) に配置しなければなりません。スクリプトが phpinfo() をコールした際には、常にこの関数がコールされます。

ZEND_MINFO 関数を指定すると、PHP は phpinfo() の出力に自動的にセクションを追加します。 ここには見出しとしてモジュール名が含められます。 それ以外のすべてはあなた自身が書式設定して表示する必要があります。

一般的には、まず php_info_print_table_start() を使用して HTML テーブルのヘッダを作成した後で、 標準関数 php_info_print_table_header() および php_info_print_table_row() を使用します。 これらの関数は、どちらも引数としてカラム数 (整数) とカラムの内容 (文字列) をとります。 例46-13 に、ソースの例とその出力を示します。 テーブルのフッタを表示するには、php_info_print_table_end() を使用します。

例 46-13. ソースコードおよび phpinfo() の出力のスクリーンショット

php_info_print_table_start();
php_info_print_table_header(2, "First column", "Second column");
php_info_print_table_row(2, "Entry in first row", "Another entry");
php_info_print_table_row(2, "Just to fill", "another row here");
php_info_print_table_end();

実行時の情報

現在実行中のファイル名など、実行時の情報を表示することも可能です。 現在実行中の関数名を取得するには、関数 get_active_function_name() を使用します。 この関数は何も引数を受け取らず、関数名へのポインタを返します。 現在実行中のファイル名を取得するには、関数 zend_get_executed_filename() を使用します。 この関数は executor グローバルにアクセスします。これは TSRMLS_C マクロを使用して渡されます。 executor グローバルは、Zend から直接コールされたすべての関数 (この章で先ほど説明した INTERNAL_FUNCTION_PARAMETERS の一部です) で自動的に使用可能となります。 自動的に使用可能にならないような関数で executor グローバルにアクセスしたい場合は、 その関数内でいちど TSRMLS_FETCH() マクロをコールします。 これにより、グローバルの内容がローカルスコープに読み込まれます。

最後に、現在実行中の行番号を取得するには、関数 zend_get_executed_lineno() を使用します。 この関数も、引数として executor グローバルを受け取ります。 これらの関数の使用例については 例46-14 を参照ください。

例 46-14. 実行時の情報の表示

zend_printf("The name of the current function is %s<br>", get_active_function_name(TSRMLS_C));
zend_printf("The file currently executed is %s<br>", zend_get_executed_filename(TSRMLS_C));
zend_printf("The current line being executed is %i<br>", zend_get_executed_lineno(TSRMLS_C));