MaxDB PHP 拡張モジュールにより、MaxDB 7.5.0 以降にアクセスできるようになります。 MaxDB データベースサーバについての詳細な情報は http://www.mysql.com/products/maxdb/ で得られます。
MaxDB PHP 拡張モジュールは、MySQL の mysqli 拡張モジュールと互換性があります。 これらの間にはほんの少しの違いしかなく、その違いは MaxDB と MySQL の違いに基づくものです。
mysqli との主な相違点は、以下のようになります。
maxdb_character_set_name() - ascii あるいは unicode しか返しません。 |
maxdb_get_client_info() - 異なるバージョン文字列を返します。 |
maxdb_get_client_version() - 異なるバージョン文字列を返します。 |
maxdb_get_host_info() - localhost あるいはホスト名を返します。 |
maxdb_get_server_info() - 異なるバージョン文字列を返します。 |
maxdb_get_server_version() - 異なるバージョン文字列を返します。 |
maxdb_kill() - 単にセッションを切断するだけです。 |
maxdb_multi_query() - 複数の SQL 文を扱うことはできません。 |
maxdb_next_result() - 常に false を返します。 |
maxdb_options() - サポートするオプションが異なります。 |
maxdb_report() - サポートする繰り返しモードが異なります。 |
maxdb_stat() - 異なるシステム状態文字列を返します。 |
maxdb_stmt_store_result() - MaxDB では不要です。 |
maxdb_store_result() - MaxDB では不要です。 |
MaxDB についてのドキュメントは http://dev.mysql.com/doc/maxdb/ にあります。
これらの関数を使用するには、MaxDB のサポートを有効にして PHP をコンパイルする必要があります。さらに、MaxDB サーバにアクセスするために MaxDB SQLDBC ランタイムライブラリが必要です。
MaxDB SQLDBC についてのドキュメントは http://dev.mysql.com/doc/maxdb/ にあります。
MaxDB SQLDBC パッケージは http://dev.mysql.com/downloads/maxdb/clients.html からダウンロードします。
設定オプション --with-maxdb[=DIR] を使用すると、PHP から MaxDB データベースへのアクセス機能が有効となります。 [DIR] には、MaxDB SQLDBC パッケージのインストールされているディレクトリを指定します。
Windows ユーザは、php.ini の中で php_maxdb.dll を有効にする必要があります。
php.ini の設定により動作が変化します。
表 1. MaxDB 設定オプション
名前 | デフォルト | 変更の可否 | 変更履歴 |
---|---|---|---|
maxdb.default_host | NULL | PHP_INI_ALL | |
maxdb.default_db | NULL | PHP_INI_ALL | |
maxdb.default_user | NULL | PHP_INI_ALL | |
maxdb.default_pw | NULL | PHP_INI_ALL | |
maxdb.long_readlen | "200" | PHP_INI_ALL |
以下に設定ディレクティブに関する 簡単な説明を示します。
データベースサーバへの接続時、ホスト名が指定されていない場合に 使用するデフォルトのホスト。
データベースが指定されていない場合に、 接続時に使用するデフォルトのサーバデータベース。
データベースサーバへの接続時、ユーザ名が指定されていない場合に 使用するデフォルトのユーザ名。
データベースサーバへの接続時、パスワードが指定されていない場合に 使用するデフォルトのパスワード。
MaxDB データベースサーバからロングデータを取得した場合に、 クライアントに転送される最大バイト数のデフォルト値。
PHP と MaxDB データベースとの間の接続を表します。
autocommit - データベースの変更内容の自動コミット機能を有効あるいは無効にする
change_user - 指定したデータベース接続のユーザ名を変更する
character_set_name - データベース接続のデフォルト文字セットを返す
close - 事前にオープンされた接続を閉じる
commit - 現在のトランザクションをコミットする
connect - MaxDB データベースサーバへの新しい接続をオープンする
debug - デバッグ操作を実行する
dump_debug_info - デバッグ情報を出力する
get_client_info - クライアントのバージョンを返す
get_host_info - 使用している接続の型を返す
get_server_info - MaxDB サーバのバージョンを返す
get_server_version - MaxDB サーバのバージョンを返す
init - maxdb オブジェクトを初期化する
info - 直近で実行されたクエリの情報を取得する
kill - MaxDB スレッドの終了をサーバに要求する
multi_query - 複数のクエリを実行する
more_results - 現在実行している複数クエリに次の結果があるかどうかを調べる
next_result - 現在実行している複数クエリの次の結果を読み込む
options - オプションを設定する
ping - サーバとの接続を確認し、接続されていない場合には再接続する
prepare - SQL クエリを準備する
query - クエリを実行する
real_connect - MaxDB データベースサーバとの接続をオープンする
escape_string - 接続の現在の文字セットを考慮したうえで、SQL 文で使用する文字列の特殊文字をエスケープする
rollback - 現在のトランザクションをロールバックする
select_db - デフォルトのデータベースを選択する
ssl_set - ssl パラメータを設定する
stat - 現在のシステム状態を取得する
stmt_init- maxdb_stmt_prepare で使用するステートメントを初期化する
store_result - 最後に実行したクエリの結果を転送する
use_result - 最後に実行したクエリのバッファ化されていない結果を転送する
thread-safe - スレッドセーフかどうかを返す
affected_rows - 直前の MaxDB 操作で変更された行数を取得する
client_info - MaxDB クライアントのバージョンを文字列で返す
client_version - MaxDB クライアントのバージョンを整数で返す
errno - 直近の関数コールのエラーコードを返す
error - 直近の関数コールのエラー文字列を返す
field_count - 直近のクエリのカラム数を返す
host_info - 使用している接続の型を表す文字列を返す
info - 直近に実行されたクエリについての情報を取得する
insert_id - 直近のクエリで使用した自動生成 ID を返す
protocol_version - 使用している MaxDB プロトコルのバージョンを返す
sqlstate - 直近のエラーについての SQLSTATE エラーコードを含む文字列を返す
thread_id - 現在の接続のスレッド ID を返す
warning_count - 直前の SQL 文の実行中に発生した警告の数を返す
プリペアドステートメントを表します。
bind_param - プリペアドステートメントに変数をバインドする
bind_result - 結果を保存するために、プリペアドステートメントに変数をバインドする
close - プリペアドステートメントを閉じる
data-seek - ステートメントの結果セットの任意の行に移動する
execute - プリペアドステートメントを実行する
fetch - プリペアドステートメントから結果を取得してバインド変数に保存する
free_result - 指定したステートメントハンドルの結果メモリを開放する
result_metadata - プリペアドステートメントからメタデータ情報の結果セットを取得する
prepare - SQL クエリを準備する
send_long_data - データをチャンクに送る
close_long_data - long データの送信を終了する
reset - プリペアドステートメントをリセットする
store_result - プリペアドステートメントから結果セット全体をバッファに保存する
affected_rows - 直近のステートメントの実行で変更された行数を返す
errno - 直近のステートメント関数のエラーコードを返す
errno - 直近のステートメントkな数のエラーメッセージを返す
param_count - 指定したプリペアドステートメントのパラメータの数を返す
sqlstate - 直近のステートメント関数の SQLSTATE エラーコードを含む文字列を返す
データベースに対するクエリによって取得した結果セットを表します。
close - 結果セットを閉じる
data_seek - 内部結果ポインタを移動する
fetch_field - 結果セットからカラム情報を取得する
fetch_fields - 結果セットの全てのカラムの情報を取得する
fetch_field_direct - 指定したカラムの情報を取得する
fetch_array - 連想配列、数値添字配列あるいはその両方で結果の行を取得する
fetch_assoc - 結果の行を連想配列で取得する
fetch_object - 結果の行をオブジェクトとして取得する
fetch_row - 結果の行を数値添字の配列で取得する
close - 結果のメモリを開放する
field_seek - 指定したフィールドオフセットに結果ポインタを移動する
current_field - 現在のフィールドポインタのオフセットを返す
field_count - 結果セットのフィールド数を返す
lengths - カラムの長さの配列を返す
num_rows - 結果セットの行数を返す
以下の定数が定義されています。 この関数の拡張モジュールが PHP 組み込みでコンパイルされているか、 実行時に動的にロードされている場合のみ使用可能です。
以下の定数が、maxdb_options() で使用するために定義されています。これらの定数についての詳細な情報は http://dev.mysql.com/doc/maxdb/ を参照ください。
表 2. MaxDB PHP クライアント定数
定数 | 説明 |
---|---|
MAXDB_COMPNAME | SQLDBC ランタイム環境を初期化するために使用するコンポーネント名。 |
MAXDB_APPLICATION | データベースに接続しているアプリケーション。 |
MAXDB_APPVERSION | アプリケーションのバージョン。 |
MAXDB_SQLMODE | SQL モード。 |
MAXDB_UNICODE | unicode (UCS2) クライアントによる接続の場合に TRUE、そうでない場合に FALSE。 |
MAXDB_TIMEOUT | データベースへの接続がシステムによって閉じられるまでの 最大無活動時間。 |
MAXDB_ISOLATIONLEVEL | 共有ロックおよび排他ロックを暗黙的に要求/開放するかどうか、 またどのように行うかを指定します。 |
MAXDB_PACKETCOUNT | 接続に使用するリクエストパケットの数。 |
MAXDB_STATEMENTCACHESIZE | 接続内での再利用のためにキャッシュされるプリペアドステートメントの数。 |
MAXDB_CURSORPREFIX | 自動的に命名される結果テーブルに使用するプレフィックス。 |
maxdb_fetch_array() 関数は、 結果の配列の型を指定するために定数を使用します。 以下の定数が定義されています。
表 3. MaxDB フェッチ定数
定数 | 説明 |
---|---|
MAXDB_ASSOC | フィールド名をインデックスとする配列で、カラムを返します。 |
MAXDB_ASSOC_UPPER | 大文字に変換したフィールド名をインデックスとする配列で、 カラムを返します。 |
MAXDB_ASSOC_LOWER | 小文字に変換したフィールド名をインデックスとする配列で、 カラムを返します。 |
MAXDB_BOTH | 数値インデックスおよびフィールド名インデックスの両方を含む配列で、 カラムを返します。 |
MAXDB_NUM | フィールドの数値インデックスを持つ配列で、カラムを返します。 インデックスは 0 から始まり、これが結果の最初のフィールドを表します。 |
MaxDB PHP マニュアルの全ての例は、MaxDB から得られるデモデータベース HOTELDB を使用しています。このデータベースについての情報は http://dev.mysql.com/doc/maxdb/en/98/11b83fa6b33c17e10000000a114084/frameset.htm で得られます。
MaxDB PHP マニュアルのデータベースを使用するには、チュートリアルのデータを データベースに読み込む必要があります。その後、php.ini の中の maxdb.default_db に、チュートリアルデータを含むデータベースを設定します。
この単純な例では、MaxDB データベースへの接続・クエリの実行・ 結果の行の表示・接続の切断の方法を示します。
以下の例では、SELECT INTO 文に変数をバインドする方法を示します。
例 2. SELECT INTO 文の使用例
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以下の例では、MaxDB のプロシージャを使用する方法を示します。
例 3. データベースプロシージャの使用
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