この関数は、CBC, OFB, CFB, ECB 暗号モードの DES, TripleDES, Blowfish (デフォルト), 3-WAY, SAFER-SK64, SAFER-SK128, TWOFISH, TEA, RC2 , GOST のような広範なブロックアルゴリズムをサポートする mcrypt ライブラリへのインターフェースです。加えて、"フリーではない" と思われる RC6 および IDEA もサポートします。
ここで示す関数は、mcrypt を 使用して動作します。この拡張モジュールを使用するには、http://mcrypt.sourceforge.net/ から libmcrypt-x.x.tar.gz をダウンロードし、含まれているインストール用の指示に従ってください。 Windows ユーザは、コンパイル済みの mcrypt バイナリを http://ftp.emini.dk/pub/php/win32/mcrypt/ から入手することが可能です。
PHP 5.0.0 以降では、libmcrypt のバージョン 2.5.6 以降が必要です。
libmcrypt 2.4.x とリンクした場合、加えてブロックアルゴリズム: CAST, LOKI97, RIJNDAEL, SAFERPLUS, SERPENT および次のストリーム暗号: ENIGMA (crypt), PANAMA, RC4, WAKE がサポートされます。 libmcrypt 2.4.x を使用した場合、暗号モード nOFB もサポートされます。
この拡張機能を利用可能にするためには、 PHP を --with-mcrypt パラメータを 付けてコンパイルする必要があります。DIR は mcrypt のインストール ディレクトリです。必ず、 --disable-posix-threadsを付けて libmcrypt をコンパイルするようにしてください。
php.ini の設定により動作が変化します。
表 1. Mcrypt 設定オプション
名前 | デフォルト | 変更の可否 | 変更履歴 |
---|---|---|---|
mcrypt.algorithms_dir | NULL | PHP_INI_ALL | PHP 4.0.2 以降で使用可能です。 |
mcrypt.modes_dir | NULL | PHP_INI_ALL | PHP 4.0.2 以降で使用可能です。 |
リソース型は定義されていません。
以下の定数が定義されています。 この関数の拡張モジュールが PHP 組み込みでコンパイルされているか、 実行時に動的にロードされている場合のみ使用可能です。
mcryptは 4 つのブロック暗号モード(CBC, OFB, CFB, ECB)で実行可能です。 libmcrypt-2.4.x 以降にリンクした場合、ブロック暗号モード nOFG と STREAM モードでも実行可能です。MCRYPT_MODE_mode 形式を関数で使用する 際には、いくつかの制約があります。ここで、これらの各モードの通常の 使用法の概要を示します。詳細なリファレンスおよび議論に関しては、 Applied Cryptography by Schneier (ISBN 0-471-11709-9) を参照ください。
MCRYPT_MODE_ECB (electronic codebook) は、他のキーを暗号化すると いったランダムデータに適しています。出力データが短くランダムであると いう ECB の短所は、都合の良い逆の効果を持っています。
MCRYPT_MODE_CBC (cipher block chaining)は、特に、ECB よりも著しく 高いセキュリティでファイルを暗号化する用途に適しています。
MCRYPT_MODE_CFB (cipher feedback) は、1 バイト毎に暗号化する必要がある バイトストリームを暗号化する際に最も適したモードです。
MCRYPT_MODE_OFB (output feedback、8 ビット形式) はCFBと互換性が ありますが、エラーの伝播が許容されないアプリケーションに使用する ことが可能です。このモードは(8 ビットモードで処理を行うため)安全では なく、使用は推奨されません。
MCRYPT_MODE_NOFB (output feedback, nビット形式) は OFB と互換ですが、 アルゴリズムのブロックサイズを変更可能なため、より安全です。
MCRYPT_MODE_STREAM は、WAKE や RC4 のようないくつかのストリーム アルゴリズムを読み込む追加のモードです。
他のモードおよびランダムデバイス定数:
以下に、mcrypt 拡張モジュールにより現在サポートされている暗号のリストを 示します。サポートされる暗号の完全なリストについては、 mcrypt.h の最後にある define を参照ください。 mcrypt-2.2.x API に関する一般的な規則は、 MCRYPT_暗号名で PHP から暗号をアクセス可能であるということです。 mcrypt-2.4.x および mcrypt-2.5.x の API についてもこれらの定数は 使用できますが、mcrypt_module_open() を コールする際に文字列で暗号名を指定することも可能です。
MCRYPT_3DES
MCRYPT_ARCFOUR_IV (libmcrypt > 2.4.x のみ)
MCRYPT_ARCFOUR (libmcrypt > 2.4.x のみ)
MCRYPT_BLOWFISH
MCRYPT_CAST_128
MCRYPT_CAST_256
MCRYPT_CRYPT
MCRYPT_DES
MCRYPT_DES_COMPAT (libmcrypt 2.2.x only)
MCRYPT_ENIGMA (libmcrypt > 2.4.x のみ、 MCRYPT_CRYPTへのエイリアス)
MCRYPT_GOST
MCRYPT_IDEA (non-free)
MCRYPT_LOKI97 (libmcrypt > 2.4.x のみ)
MCRYPT_MARS (libmcrypt > 2.4.xのみ, non-free)
MCRYPT_PANAMA (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_RIJNDAEL_128 (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_RIJNDAEL_192 (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_RIJNDAEL_256 (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_RC2
MCRYPT_RC4 (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_RC6 (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_RC6_128 (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_RC6_192 (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_RC6_256 (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_SAFER64
MCRYPT_SAFER128
MCRYPT_SAFERPLUS (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_SERPENT(libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_SERPENT_128 (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_SERPENT_192 (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_SERPENT_256 (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_SKIPJACK (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_TEAN (libmcrypt 2.2.xのみ)
MCRYPT_THREEWAY
MCRYPT_TRIPLEDES (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_TWOFISH (mcrypt 2.x より古いバージョン、 またはmcrypt > 2.4.xの場合)
MCRYPT_TWOFISH128 (TWOFISHxxx は 2.x の新しいバージョンで使用可能ですが、2.4.x では使用できません)
MCRYPT_TWOFISH192
MCRYPT_TWOFISH256
MCRYPT_WAKE (libmcrypt > 2.4.xのみ)
MCRYPT_XTEA (libmcrypt > 2.4.xのみ)
(CFB および OFB モードでは)それぞれの暗号関数に初期化ベクトル(IV) を指定する必要があり、(CBC モードでは)IV を指定することが可能です。 IV はユニークである必要があり、暗号化/復号化の際に同じである 必要があります。暗号化されて保存されたデータの場合、関数の出力を (ファイル名の MD5 キーのように) 保存されたデータの位置を表す インデックスとして使用することができます。もしくは、暗号化された データと共に IV を渡すことができます(このトピックに関する議論については、 Applied Cryptography by Schneier (ISBN 0-471-11709-9) の 9.3 章を参照ください)。
mcrypt は、上に示した暗号を用いて暗号化および復号化を 行うことが可能です。libmcrypt-2.2.xとリンクした場合、4つの重要な mcrypt コマンド (mcrypt_cfb(), mcrypt_cbc(),mcrypt_ecb(), mcrypt_ofb()) は、MCRYPT_ENCRYPT および MCRYPT_DECRYPT という 2つのモードの両方で実行可能です。
libmcrypt 2.4.x または 2.5.x とリンクした場合、上記の関数も利用可能 ですが、新しい関数を使用されることを推奨します。
mcrypt_module_open() を参照してください。